Ragazzi blog

サイクルショップ Bicycle Ragazzi のブログ

クロモリ29er

ずーと26インチで固定化されていたMTB
試行錯誤の末、生き残ったタイヤサイズだったはずなんですが
(手元の1991年発刊の雑誌には24インチMTBなんて載ってるし)
タイヤサイズが確立された時代と今では走り方や周辺パーツの進化などで
26インチがベストではない用途、乗り方が出てきているようで
ここ数年で29インチはMTBにおけるひとつのカテゴリーとしてメーカーに認知され
タイヤ選びも出来る状況になってきました。
そして今後は27.5インチもカテゴリーとして確立されそうな勢い
風雲急を告げるホイールウォーズ、カテゴリごとのタイヤサイズ再編
どれが今の自分にベストなMTBなのか?デマと真実が飛び交うカオスな時代の到来?
それとも最適なMTBを選べる多様化時代の幕開け?



いちおうタイヤサイズによるメリット・デメリットもあり用途もそれに合わせて考えられます
26インチ トレイル・XC・DH・AM・DJ
29インチ XC
さらにメリット・デメリットを薄める位置にまだまだ少数ですが
27.5インチがXCやトレイルのカテゴリーに
これが基本になるんですがリッチーP29erとかGTカシミール9Rとか
『トレイルも得意な29インチ』なんていう『俺たちの遊び場用MTB』に29インチモデルが参入してきて
里山は26インチでイイんダョ」(湾岸MIDNIGHT風)と言い切れなくなってきた。




ああ、俺はどうすればええねん。お客さんにどんなアドバイスしたらええねん。
と悩んだ挙句に出した答えは。


『29インチ、買っちゃいなYO』

ラジャー( ・∀・ )ゞ





そんなわけでクロモリ29インチのP29erで里山ライドいってきました
去年試乗車でお借りしたGT ザスカー9Rエキスパートはジープロードでは矢のように速く
トレイルでは手に余る(サイズがちと大きすぎたということもあり)という印象でしたが
P29erではトレイルでの扱いやすさがバツグン、代わりにザスカーのような瞬発力はありません。

29インチの接地面の大きさとクロモリのトラクションのかけやすさで
今まではもう一息で後輪のスリップを招き、登り切れなかった坂もくりくり登っていけちゃう
車輪の重量が重くなるのでどうかな?と思っていましたがスリッピーな登りが恩恵を一番受けるシーンでした。
いつもは足つきナシで下れるトレイルも1本目は26のつもりでいって2・3回足つきしましたが
2本目からは足つきナシでクリア、取り回しのよさで26インチに軍配ですが慣れれば扱えます。
あと、押して歩くときも大径ホイールはギャップを通過しやすく26インチより楽な印象。



里山メインの用途ではホイール剛性の低さもまったく問題にならないので
多少の取り回しの悪さを除けば29インチの恩恵は十分得られる。
ただし、乗り手のほうがある程度乗れることとある程度の身長は欲しいところ
最小サイズでP29erはトップチューブ580mm、カシミール9Rで571mmですが
フロントセンターにあまり余裕はありません
低身長に合わせてトップをこれ以上縮めるとフロントセンターの確保が難しそう
前輪とつま先の干渉はロードならOKでもMTBの場合だと致命的で『乗れない自転車』になっちゃいます。
乗り手によっては取り回しの良さ&無理のないジオメトリで26インチのほうがオススメな場合もありそうです。