最終到達点

「自転車をステップアップしていって、最終到達点は何になるんですか？」
N君に聞かれました。

「次々と出る新技術・新素材に目をやると最終到達点は自分の死後も進化を続ける
　また、自分が最も多感な頃に出会った、当時高嶺の花だった自転車が最終到達点となり
　過去の物に最終到達点を見出す人もいる。最終到達点はひとそれぞれ。」

まるで禅問答のようになってしまいました。

ひとつだけいえることは

いろんなものを試行し錯誤し経験することと
年齢を重ねココロとカラダが変化することが重なって
広大かつ細分化された進化を遂げた自転車のなかから
自分の嗜好に合うものが見出せるようになるんだろうと思います。

「最終到達点」ではなく「嗜好にあうもの」です。

「最終到達点」はそれ以上進化を遂げない。それ以上のもは現れない。

とすると、最終到達点というものは時間を区切り、過去の限られた時代を愛でる
エンスーと呼ばれる人たちだけの特権なのかもしれない。

こんどはちょっとテツガクのようになってしましました。

かくいうワタクシも今、自分用に5台の自転車があります（フレームは除き完成車状態で）
それぞれ楽しい自転車ですが最終到達点と呼べる物はもちろんありません。

もしスチール素材にエポックメイキングがあれば、自分の嗜好的には
面白いものが出来るだろうだろうなぁと思いますが
そんなスチールフレームが世に出てもきっと最終到達点は最後まで見えないと思います。