Ragazzi blog

サイクルショップ Bicycle Ragazzi のブログ

カラミータでロングライド

10月2日のツーリング記録です。


普段のツーリングではチタンのEDGE Tiをメインで使用し、最近はGIOS GRESS(カーボンフレーム)などもよく使っています。ホイールはカンパ・ZONDA、フルクラム・RED WIND、ノバテックJETFLAYなどを使用、そんなバイクで150〜250kmのロングを楽しんでるわけですが初心者が1台目によく選ぶ価格帯ズバリ10万円前後の完成車でロング走ったらどんな感想になるのか?京田辺から福井県敦賀市までの150kmをノーマルの完成車で走ってみました。


正直に申しますと10万円の完成車となるとコストとカタログスペックの見栄えに各社苦労している価格帯、結局似たような素材とパーツの組み合わせで見えないところはコストカット、個性を持つモデルってそんなに多くはありません、店主が個人的にこの価格帯で面白そうと感じるモデルはアクションスポーツのカラミータと新家工業のEXRあたりです。
カラミータとEXRそれぞれおもしろい要素が異なるのですが特にカラミータはカタログスペックで勝負したら見劣りする構成、こういうやつは「乗ってみないと魅力がわからない」伏兵だったりしますので今回の相棒はカラミータをお借りすることにしました。


今回は10万円の完成車をノーマルのままロングライドというコンセプトですのホイールなどの主要パーツは変更を加えずに使い慣れてるサドルとペダルに交換と雰囲気重視のWレバーのシフトレバーを実用的にSTIに変更(もちろん9速のままです)、そして荷物をつめるようにバッグ類と灯火類、そしてメーターを装備しました。
コースは京田辺から宇治田原、琵琶湖東岸から琵琶湖大橋を渡り湖西側を北上、福井県境は知らない道が見つかれば良いなという感じで先は決めずに出発。


京田辺から琵琶湖までは3つほど小さな峠を越えますが普段乗りなれたチタンとカーボンのしっかり感と比べれば非常に頼りない、特に登坂時の踏み込むペダリングでは踏力のロスが大きい、重いギアをかけてずんずん進むのは苦手なフレームのようです。カタログ重量8.9kg、しなやかさが身上の細身のクロモリフレームに剛性感は求めるべくもない、序盤の感想はそんな感じ。


南郷洗堰まで進むと後は湖北までしばらく平坦、ここでカラミータのよさがわかってきました、当日の目的地までは150kmと時間的に余裕のある行程でしたので湖周道路は車道ではなく自転車通行可の歩道(自転車道)を行きましたが32本タンジェントのホイールとしなやかなフレームで非常に快適、のんびりペースにあわせた踏まないペダリングがカラミータのフレームととてもマッチして心地良い。
琵琶湖大橋を渡ると旧国道161号を北上、ここでは先ほどの自転車道よりペースが上がりますが先ほどと同じ感覚のペダリング、一般には引き足というのかな僕的には「抜き足」とか「返り足」といったほうがしっくりくるリズミカルにまわすペダリングで心地よく進みます。
フレームとの相性をふまえて疲れないペダリングで進む美味しい速度域は28〜34km/hぐらい、それ以上はロスを大きく感じる、「ふーんこんな性格か」と納得していたらよくよく考えるとコレ10万円の完成車でノーマルホイールだぜ?30km/h巡航で疲れず気持ち良いって上出来じゃん?


マキノ町国境付近で新ルート開拓で突入した道がダート林道になってしまいやむなく折り返し、県道533号から国道161号は峠越えになります、上りが苦手だったカラミータ、2回目の峠道ではさほど駄馬ではありませんでした。オーバーに振らない、しなりのタイミングにあわせるようにペダリングすればダンシングで登ることも可能。結果さほど苦労することなく福井県境を越えました。


敦賀に到着したらいつも立ち寄る温泉に・・と向かってみたらメンテナンスのために休業、仕方なく市内を走って別の温泉施設へ、市街地走行でも乗り心地のしなやかさが生きて自転車通行可の歩道をわりと躊躇なく入り込めます(ロードで歩道って走りにくいんですよね)


敦賀から帰りはサンダーバード輪行、軽量な車体は担ぎも楽です(笑)


150kmのライドで僕が感じたカラミータ
普段の足、またツーリング用途のロードバイクにはちょうど良い自転車でした。
レース向き、グランフォンド(ロングライド)向きと2種のモデル展開をするメーカーが多いですが、かなり割り切って「クロモリらしさ」だけにテーマを絞ったカラミータはとてもわかりやすくロングライドに向いた自転車です。


パワーのある男性の場合は丁寧に、女性なら普通に乗ればそこそこ気持ち良い、フレームの特性に合わせたペダリングができればさらに気持ちよく走る、そしてその特性が引き出せるポイントはわりと低い速度域にあってカラミータ(クロモリ)ならでは気持ちよさに触れることはペダリングを意識すれば比較的容易、エキスパート向きのフレームがフェラーリだとしたらカラミータはちょうどマツダロードスターみたいな感じです(そういえばロードスターの輸出名はミアータだったけ、ちょっと似てますね)スペックに華やかさはないけれど自転車を楽しみたい初心者と乗り心地の良いクロモリのサブバイクがほしい方にはお勧めのフレーム特性です。


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